2021年09月30日掲載
医師・歯科医師限定

【インタビュー】糖尿病「第4の治療」、肥満外科手術療法のメリットと安全性(820字)

2021年09月30日掲載
医師・歯科医師限定

虎の門病院 院長

門脇 孝先生

長年、糖尿病治療の3本柱は食事療法、運動療法、薬物療法であった。しかし近年それらに加えて肥満外科手術療法が登場し、注目が集まっている。日本肥満学会、日本糖尿病学会、日本肥満症治療学会の3会合同で2019年から1年半にわたって活動し、2021年3月にはコンセンサスステートメントを発表するに至った。現在は日本糖尿病学会や日本肥満学会でもガイドラインに「糖尿病外科手術」を掲載している。3学会の合同声明では、正式名称として「肥満2型糖尿病に対する減量・代謝改善手術」を示している。

減量が主目的の場合、手術適応は2型糖尿病の患者でBMI35以上の者。併存疾患(高血圧、脂質異常症、肝機能障害など)の治療が主目的の場合は、BMI32以上の者が適応となる。いずれも、通常の治療では十分な改善が見られない場合に検討する。

肥満外科手術のメリットは、減量の幅が大きいことと、それまで日常的にインスリン投与が必要だった患者がドラッグフリーになれる可能性がある、すなわち糖尿病の寛解状態に移行できること。自身が担当した患者でも、130kgほどあった体重が80kgほどになり、インスリンの投与が必要ない状態になった。食事療法や運動療法で減量できる体重にはどうしても限界がある。たとえば5%ほどは減量できたとしても、それ以上減らせないという場合も多い。しかし糖尿病外科手術であれば20〜30%ほどの減量が可能であり、その点で糖尿病治療において非常に有用な方法と考えられる。

手術を行ううえで安全性は非常に重要だ。そのため日本肥満症治療学会では専門認定施設の審査を行っている。糖尿病患者に対する肥満外科手術は、このような認定施設で医師(外科、内科、麻酔科など)や看護師、管理栄養士、臨床心理士、社会福祉士など多職種がチームとなり、協力して行うべき手術である。日本でも安全性に関するデータが徐々に集まりつつあり、現在は安全に手術を行える基盤が醸成してきた。また、保険収載も行われたため、今後の広がりが期待される。

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