2021年10月06日掲載
医師・歯科医師限定

【インタビュー】膀胱がん手術時の光線力学的診断――目視できないがん細胞判別も可能に(370字)

2021年10月06日掲載
医師・歯科医師限定

獨協医科大学埼玉医療センター 泌尿器科教授/低侵襲治療センター長

井手 久満先生

最近、膀胱がん手術時に光線力学的診断(PDD)を用いる方法の有用性が実証され、保険収載された。PDDとは、5-アミノレブリン酸(5-ALA) という光感受性物質を体内に投与した後に蛍光内視鏡を用いてがん病変を蛍光発光させる診断方法である。

現在、膀胱がんに対しては内視鏡と切除ループを用いる経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)を行う。手術前に患者が5-ALAを服用すると、手術中にがん細胞を判別できるのだ。これまでは目視可能な部分のみの切除にとどまっていたが、PDDを活用することでがん組織をより確実に切除することが可能になった。ただしその効果は完全でなく、現状ではPDDでも検知できないがん細胞が存在する点にも留意したい。今後のさらなる技術・開発の進展の1つとして、特定の波長の光によりがん細胞内で活性酸素や細胞障害性薬剤を発生させ、がん細胞を攻撃する「光線力学治療」への応用が期待されている。

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