2021年10月06日掲載
医師・歯科医師限定

健康状態・寿命との相関にも注目集まるテストステロン――爪測定法の開発に向けて

2021年10月06日掲載
医師・歯科医師限定

獨協医科大学埼玉医療センター 泌尿器科教授/低侵襲治療センター長

井手 久満先生

男性ホルモンの1つであるテストステロンは我々の体に種々の影響を及ぼす。近年、その数値と健康状態・寿命の疫学的な相関にも注目が集まっている。たとえば、テストステロンの数値が低いと心血管疾患などにより早死する傾向があり、悪性の前立腺がんの罹患率が高いことやメタボリック症候群との関連性が知られている。また男性更年期障害(LOH症候群=加齢男性性腺機能低下症候群)は、加齢によるアンドロゲン(テストステロン含む)の低下によりそれに伴う症状を指す。

このようななかで、テストステロンの計測はライフスタイルの改善指導、ひいては治療対象の判別などに活用できる可能性がある。ところが、テストステロンの数値は日内変動が大きく、ストレスの影響を受けるなど血中濃度では正確な数値の測定が難しい。

この課題を踏まえて現在私たちが取り組んでいるのが、テストステロンの爪測定法の開発だ。血液濃度の場合は変動が大きいが、爪であれば蓄積されたテストステロンの数値を測ることができると見込んでおり、採取方法も爪を切るだけなので患者の負担も少ない。もちろん、爪測定法の数値と血中濃度との相関を見ていくことも重要だ。この研究開発が進めば、手軽かつより正確にテストステロンを測定することができ、ライフスタイルの改善や泌尿器がんの予防・治療などに活用できる可能性があると期待している。

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