2021年10月20日掲載

心臓移植「不適応」患者にも植込型補助人工心臓の適応を拡大――管理可能な施設など体制整備を推進

2021年10月20日掲載

日本胸部外科学会統括会長 慶應義塾大学 医学部外科学 教授

志水 秀行先生

心臓血管外科領域の最新トピックスとしては2021年5月1日から、診療報酬の改定に伴い植込型補助人工心臓の適応が拡大されたことが挙げられる。

これまで、植込型補助人工心臓はドナーが現れて移植が可能となるまでの“つなぎ”として、移植条件を満たした重症の心不全患者だけが対象だった。今回新たに、従来は年齢や合併症などの条件から「不適応」とされ移植の対象にはなっていなかった重症の心不全患者に対して長期に循環補助を行う場合にも使えるようになった。医療費の問題もあり無制限に適応が広がるわけではないが、それによって救命される患者が増える。

完全に心臓に置き換えられるようなテクノロジーの進化があれば、ドナーからの移植は“過去の遺物”になる時代が来るかもしれない。しかし残念ながら、現状の植込型補助人工心臓は血栓による合併症が起こる可能性や電源の管理などの問題もあり、完全に心臓移植の代替にはなり得ず、医療機関による定期的な管理を必要とするのが現実だ。

心臓移植は全国11施設でしか認められていない。この施設だけで、植込型補助人工心臓を入れた患者まで診るのであれば、その数が増えすぎると管理できなくなる恐れがある。そのため、移植施設以外に管理できる病院を整備するなどさまざまな工夫をして、体制を作りつつある。

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