2021年11月11日掲載
医師・歯科医師限定

実は多かった心アミロイドーシス患者、診断にピロリン酸シンチが有効――タファミジスで総死亡・心血管疾患による入院を抑制

2021年11月11日掲載
医師・歯科医師限定

東京大学大学院医学系研究科 内科学専攻器官病態内科学講座 循環器内科学教授

小室 一成先生

心不全の原因の1つである心アミロイドーシスは診断ができても治療法がなく、予後の悪い病気だった。

タファミジスがトランスサイレチン型(ATTR)心アミロイドーシスを引き起こすトランスサイレチンタンパクの構造を変えることで安定化し、総死亡・心血管疾患による入院を抑制したという臨床試験の解析結果が2018年の欧州心臓病学会で発表された。

心アミロイドーシスによる心不全患者はそれほど多くないと考えられてきたが、2015年に発表された論文によると、HFpEF(左室駆出率が保持された心不全)症例の13%は心アミロイドーシスであった。また、大動脈狭窄でTAVI(経カテーテル的大動脈弁留置術)を受けた患者の16%が心アミロイドーシスだったという報告もある。

ATTR心アミロイドーシスの診断には心筋生検が不可欠である。しかし、侵襲的な検査であるため、特に高齢者に対しては検査のハードルが高かった。これに対し、骨シンチグラフィーに使われる放射性薬剤のピロリン酸が、ATTR心アミロイドーシスの診断に有効であることが明らかになってきた。理由は不明だが、ATTR心アミロイドーシス患者では、ピロリン酸が心臓に取り込まれる。そのため、欧米では心筋生検をしなくてもピロリン酸シンチグラフィーの結果だけで心アミロイドーシスとして治療が可能になった。

心アミロイドーシスがHFpEFの原因として実は非常に多かったことが分かり、それに対する薬と新しい非侵襲的な診断法が出たことは、心不全に関して非常に大きなトピックスである。

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