2021年09月24日掲載
医師・歯科医師限定

【インタビュー】HER2陽性胃がんに対する抗がん剤「トラスツズマブ デルクステカン」の承認(460字)

2021年09月24日掲載
医師・歯科医師限定

名古屋大学大学院医学系研究科 消化器外科学講座 教授

小寺 泰弘先生

最近、HER2陽性の胃がん患者に対するサードラインの選択肢が広がった。抗がん剤の1つ、抗HER2抗体薬物複合体(ADC)の「トラスツズマブ デルクステカン」が承認されたのだ(2020年9月)。

トラスツズマブ デルクステカンはHER2を特異的に認識する抗体医薬品のトラスツズマブに、抗がん剤のデルクステカンを結合させた構造をしている。対象となるのは、化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発胃がん。なお、副作用として間質性肺炎の発生が指摘されている。

同薬剤は、これまで標準的な治療が困難な手術不能または再発乳がんに適応とされていた(2020年3月適応)。胃がんは乳がんと比して腫瘍内のヘテロジェナイティー(不均一性)が強く、組織に種々の細胞が混ざっていることから新薬の開発が困難であった。しかし、本薬剤はHER2陽性のがん細胞が攻撃を受けると近隣のHER2陰性がん細胞も影響を受けるバイスタンダー効果を有するとされる。サードラインであるにもかかわらず高い有効性が示されており有望な薬剤であるが、間質性肺炎については特段の注意と慎重な対応が要求される点には留意されたい。

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