2022年01月07日掲載
医師・歯科医師限定

【インタビュー】進歩する肺がんに対する薬物療法・放射線治療とのコンビネーション、サルベージ手術で拡大する根治切除の可能性――今後のエビデンス構築に期待(400字)

2022年01月07日掲載
医師・歯科医師限定

広島大学病院 呼吸器外科 科長/教授

岡田 守人先生

近年、薬物療法の進歩が目覚ましい。外科領域においても、術前にEGFR遺伝子変異に対する分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬(Immune Checkpoint Inhibitor:ICI)による免疫療法や放射線治療を行うことが増えている。それにより手術の方法や考え方も多様化しており、たとえばサルベージ手術といって、治療開始前には根治切除不能だった病変が薬物療法や放射線治療などの治療奏効により切除可能病巣となる例が出てきた。サルベージ手術の対象となるのは主に非小細胞肺がんであるが、これまでなら手術できなかったような症例に対して根治の可能性が出てきたこと、初期治療で寛解した後に再発転移した症例に対して根治目的の手術を行うことは画期的であるし、患者にとっても朗報であろう。

ただし、現状ではサルベージ手術の大規模な臨床研究の報告が不足しており、この点は課題といえる。今後、症例集積がなされたうえで大規模な臨床研究が進み、前向きなデータとエビデンスが構築されていくことが期待される。

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