2021年10月06日掲載
医師・歯科医師限定

【インタビュー】転移性尿路上皮がんに対する新たな治療薬「エンホルツマブ ベドチン」(490字)

2021年10月06日掲載
医師・歯科医師限定

獨協医科大学埼玉医療センター 泌尿器科教授/低侵襲治療センター長

井手 久満先生

尿路上皮がんは、腎がんや前立腺がんなどほかの泌尿器系がんに比して進行が早く、早期の治療が必要である。特に転移性の尿路上皮がんに関しては現存する治療法の奏功率が低く(5割ほど)、また再燃する可能性が高い。これまでは最終的な選択肢として抗PD-1抗体による免疫療法を行ってきたが、それでも十分な効果を得られない症例も多いという課題があった。

このような状況のなかで、治療歴のある局所進行性または転移性尿路上皮がんに対する新たな治療薬として「エンホルツマブ ベドチン」が開発された。エンホルツマブ ベドチンは、ほぼ全ての尿路上皮がんに出現し細胞間の接着に関連するタンパク質「ネクチン-4」をターゲットにしたファースト・イン・クラス(画期的医薬品)の抗体-薬物複合体(ADC)である。米国では2019年に米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得済みで、現在日本と欧州において製造販売承認取得が行われているところだ。エンホルツマブ ベドチンは日本でも近い将来導入されることが見込まれる。従来の方法では治療が困難だった治療歴のある局所進行性または転移性尿路上皮がんに対する治療の可能性が出てきたことの価値は大きい。

会員登録をすると、
記事全文が読めるページに遷移できます。

会員登録して全文を読む

医師について

新着記事