2021年09月30日掲載
医師・歯科医師限定

SGLT2阻害薬の意外な作用――心不全を抑制する可能性も

2021年09月30日掲載
医師・歯科医師限定

虎の門病院 院長

門脇 孝先生

糖尿病の治療薬の中で「SGLT2阻害薬」が大きな話題になっている。その理由は、当初期待されていた作用とは異なるさまざまな多面的な作用が明らかになってきたことに起因する。もう1つ想定していなかったものとして、SGLT2阻害薬には心不全を抑制する作用があることが分かってきた。

SGLT2阻害薬に限らず糖尿病の領域では米FDAにおける新薬認可条件として、心筋梗塞や脳卒中、心疾患系の死亡がプラセボと比して増えないことが定められている。その検証のなかで、SGLT2阻害薬は心筋梗塞や脳卒中、心疾患系の死亡を増やさないだけでなく、心不全による入院を抑制する作用を有することが示唆された。これは非常に短い期間で現れてくることから、動脈硬化を抑制しているというよりも心機能を改善している可能性が高い。

その後、2次予防だけではなく1次予防の患者で心不全のリスクが高い方に対してSGLT2阻害薬を投与することで心不全を有意に抑制する効果が示されている。この点を考慮し、2020年3月の日本循環器学会・日本糖尿病学会合同委員会のコンセンサスステートメントでは、糖尿病患者で心不全を合併している者や心不全のリスクが高い者(BNP100pg/mL以上)へのSGLT2阻害薬の使用が推奨されている。そして実際に、糖尿病合併の有無に限らず、一部のSGLT2阻害薬を慢性心不全治療薬として使うことが国内で承認されたのだ。

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